読書。大阪都構想は仕事の役割分担。『体制維新 – 大阪都』

体制維新
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今までそこまで政治に関心がなかったのですが、これほどストンと自分の中に入ってくるものはありませんでした。この本は、ぜひぜひ若い世代の人に読んで欲しい一冊です!!!

小さな面積の巨大な都市に司令塔が二つ

大阪都構想。東京都の真似事がしたいとかそんな簡単なものじゃないんです。大阪という小さな地域に大きな役所、司令塔が二つあるのが問題なんです。

大阪府は大阪全体のことを考える。大阪市はもちろん大阪市内のことを考える。通常はそれで良いのですが、大阪市があまりに巨大すぎる。

大阪市だけのGDPでなんと22兆円。これフィンランドに匹敵する財政規模なんです。世界ランキングで35位。ちなみに大阪府は39兆円。こちらはベルギーに次いで世界第21位。もうちょっとでG20に入っちゃうよ、という財政規模。大阪ってそんな地域なんですね。

そんな外国一国のGDPに匹敵する地域に、二つの指令塔が別々の方向を見て活動しているんです。大阪府がビルを建てたら大阪市も対抗してビルを建てる。府立図書館、市立図書館。府立大学、市立大学。数え上げたらきりがない。

そして、同じものを作るだけじゃないんです。

大阪府は大阪全体のことを考えて都市計画を作ります。ここに高速道路を作ろうとか鉄道を伸ばそうとか。関西国際空港をどのように地域とつなげていこうか、などなど。

大阪市はそんなもの関係ありません。市内の利便性、市民の生活向上だけが目的。なので関空のことなんて関係なければ地下鉄網も大阪市内だけで完結してもよい。他市や私鉄との接続は大阪市にとっては二の次。優先順位も大阪市と大阪府で違う。

東京の地下鉄網と大阪の地下鉄網を比べたら一目瞭然です。

このように小さな地域に司令塔が二つ別々の方向を向いている。これが大阪全体の観点、『広域行政』の問題点です。

大きすぎる政令市の弊害

しかし、大阪にはもう一つ問題があります。それは地域の住民サービス『地域行政』の問題。大阪市が大き過ぎるが故に地域密着の住民サービスを柔軟に提供しにくいんです。

例えば教育の問題。僕の育った三重県では県庁所在地の津市でも小学校数は50校です。それに対し、大阪市は小学校が300校近くあります。それを一つの教育委員会が所管しています。こんな状況できめ細かい対応ができますか?

教育一つとってもこんな状況です。目の行き届く適切な行政規模というのがあるはずですよね。

そのため、大阪市内の行政区において、どこでも同じ政策を取らざるを得ない状況になっています。つまり、地域に応じた特色のある住民サービスが提供されずらいんですね。

市の規模が大き過ぎることにより住民サービスが低下する。これが地域の観点で見た『地域行政』の問題です。

大阪都構想は仕事の役割分担

このような『広域行政』と『地域行政』の問題を根本から直すのが大阪都構想です。

まず大阪市を人口や経済規模に合わせて適切な大きさの特別区に分割します。大阪市が担っていた大きなお仕事は大阪都に渡します。分割された特別区は地域密着の住民サービスに特化します。

大阪都構想とは『広域行政』の仕事は都に、『地域行政』の仕事は区に、という仕事の役割分担なんです。

これにより、広域行政で今まで府と市が対立していた状況がで解消されます。そして大きすぎた都市規模を分割することにより、地域に応じた住民サービスの提供を可能にします。

昔に決まった行政区画の線引きにずっと従っている必要はないでしょう。大阪市という線引きは昔は良かったんでしょう。だって大阪市の周辺が今みたいに発達してなかったんですから。

でも今は大阪市を中心に大阪という都市の領域が広がった。大阪市だけのことを見ていてはいけない。大阪全体のことは大阪全体を見て物事を決めていかなければならない。そして大きくなりすぎた大阪市を上手く分割して、住民サービスも拡充しないといけない。

昔の大阪市の線引きではうまく機能しなくなってきた。だからもう一度線引きし直しましょうってことなんです。

ほんとはもっともっと深いですが、僕なりに理解したことを書きました。

国の統治機構でも同じ問題がある

この体制維新の本では国の統治機構についても問題提起しています。

国が保育園の面積基準を決めてる場合じゃないでしょう、と。そんなものは地方が責任を持って地方の実情に合わせて行えば良い。国は国でもっとやるべきことがある。外交・防衛・経済など国全体に関わることに集中しないといけない。

国が地方の小さな町の個別の実情が分かりますか?北海道のような広大な土地のある自治体と大阪のような狭い地域に人口が密集した都市部では、児童数から用意できる保育園の面積まで事情が違うでしょう。

国が中央集権で一丸となって成長する時代までは良かったんです。全国インフラも整っていないから、統一した基準で全国どこでも同じものを作って国のレベルを底上げする。そういう時代では国の発展に必要だったと思います。

でも今は違う。

日本全国インフラも揃って道路も水道も整備された。そこに地域の特色が出てきている中、古い中央集権のシステムのままじゃ、何をしようにも動きにくくてしょうがない。

権限と責任を地域に移行して地域は地域で責任を持って自立する。これが今の日本に必要なことじゃないでしょうか。これもやっぱり仕事の役割分担ですね。

人(総理大臣)が変わってもダメ。政策(政党)が変わってもダメ。

だって日本のシステム(中央集権体制)が古いんだもの。そしたら新しいシステム(地方分権体制)にしないとね。

僕はこの本でようやく地方分権の必要性が理解できました。後は本を読んでみてください!!

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