読書。70年前の預金封鎖・新円切替から教訓を学ぶ。『人びとの戦後経済秘史』

人びとの戦後経済秘史
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久々に良書に出会いました。

前から日本の近代史に興味があり、特に戦後日本政府が行った債務整理について知りたいと思っていました。

年代や用語を覚えたいわけではありません。当時の人々の生活はどんな様子で、人々は何を考え、どういう結果になったのか。過去の教訓を学びたかったんです。

そして、今回面白そうな本を発見しました。

この本では、戦後から高度経済成長、バブル崩壊までの日本の経済の出来事について書かれています。東京新聞・中日新聞の記者が過去の資料を調べ、その時代を生きた人びとを実際に取材し、それらの内容を分かりやすくまとめています。

難解な経済書とは違いさすが新聞社だな感じる上手いまとめ方をしているので読みやすかったです。新聞社なので内容も正確でしょうしね。

気になっていた戦後の債務整理についても記載がありました。一部をご紹介します。

疲弊国民に追い打ち ー インフレと預金封鎖

紙幣の洪水だった。

日銀各店舗に持ち込まれた札に、職員らが金額の描き込まれた証紙をのり付けしていく。東京の本店で働いていた間光子(86)は、貼り終えた札を束ねるのに忙殺されていた。窓口は人でごった返し、札は次々押し寄せる。町の混乱を肌で感じた。

終戦から半年後の1946年2月16日。政府は電撃的に翌日からの預金封鎖を宣言する。

預金を引き出せるのは新しいお札で1人1ヶ月100円(世帯主は300円)までに制限される。旧札は強制貯蓄させ、持っていても3月2日限りで「ただの紙切れ」に変わる。世の中に出回るお金の量を強引に減らす策だった。

(中略)

国民の財産を正確にはかるため、家庭にある紙幣を預け入れさせる。たんす預金を防ぐため、旧円を無効にする。把握できた預金から財産税を徴収する。一網打尽の作戦だった。

引き出し制限の間にもインフレは進み人びとの貯金は実質無価値になった。

こんな出来事が70年前にあったんですね。今の時代からは考えられませんが、政府は戦時中に膨らんだ借金のツケを国民の財産で支払うという荒療治に出たわけです。

  • 紙幣を預け入れさせ預金封鎖。
  • その預金から財産税の徴収。
  • たんす預金は新円切り替えで無効化。
  • 預金の引き出し制限がかかったままインフレになり、預金の実質価値減少。

戦争に走った日本の責任は国民の責任。使ったお金は結局国民が支払うことになりました。戦争に負けて疲弊し、そこに追い打ちをかけるように財産まで強制徴収してくるなんて散々ですね。

こういった事実も70年も経てば風化して徐々に人々の記憶から薄れていくのでしょう。そして歴史は繰り返す・・・なんて嫌ですね^^;

自分の身は自分で守るしかありません。今回の本はこういった過去の教訓を学びとれる良書だと思います。機会があれば読んでみてくださいね。

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現代の日本も膨大な借金があります。これもいつかは国民が支払うことになると思います。ゆっくりインフレで時間をかけて消化されるのか、70年前のように荒療治なるのか分かりません。

戦後の財産税の課税対象は、不動産よりも預貯金や保険、株や国債などの金融資産に重きが置かれていました。財産税は25%から90%まであったとのこと。

僕は実物資産派なので不動産を所有するようにしていますが、不動産にも課税されたらおしまいですしね。外貨や金も対策になりそうですが、もう少し勉強が必要です。

次は戦後の債務整理を上手く抜け出した人の伝記とかないのかなぁ、と探しております。

おしまい。

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